
皆さんこんにちは!
株式会社Tnor、更新担当です。
今回は、ものづくりやインフラ保全に欠かせない存在である「産業機器洗浄業」について、環境との関係に注目して一般的な市場での動向を基にご紹介します。
一見、あまり表に出ないこの業種。しかし、食品工場、化学プラント、発電所、自動車工場、半導体製造などあらゆる業界の安全・品質を陰で支えているのが、産業機器洗浄のプロたちです。
産業機器洗浄業とは、機械設備や配管、タンク、熱交換器、集塵機などの内部・外部に付着した汚れや堆積物を専用の機器と薬品で除去する作業を行う業種です。
目的は以下の通りです:
機器の性能回復・維持
製品への異物混入・汚染の防止
火災・爆発などの危険要因の除去
メンテナンスによる寿命延伸
このように、産業機器の「機能と安全」を維持するために欠かせない存在ですが、その洗浄行為そのものが環境負荷をもたらすという側面もあります。
産業用の洗浄には、強酸・強アルカリ・有機溶剤などの薬品が使われるケースも多く、以下のような環境リスクが伴います:
廃液が適切に処理されないまま流出
排気ガスによる大気汚染
作業員の健康被害(吸入・皮膚障害)
こうした問題を防ぐため、厳格な薬品管理・廃液中和処理・専用の排水処理装置が必要とされますが、中小規模の事業者では対応が不十分なケースもあります。
高圧洗浄やスチーム洗浄は大量の水と熱エネルギーを使用します。特に食品や化学系の工場では、1回の洗浄で数トン単位の水やガスを使用することも珍しくありません。
これは、
CO₂排出
水資源の過剰使用
コスト増大
などの問題に直結します。
洗浄の際には、取り除かれたスケール、金属粉、油脂、粉塵などが廃棄物として排出されます。これらは有害物含有や難処理物質を含む場合もあり、産業廃棄物として適切な処理が求められます。
また、特別管理産業廃棄物(例:PCB含有装置、重金属を含む堆積物など)の処理に対応できない業者では、無理な処理や違法廃棄のリスクがあるのも現実です。
多くの企業では、環境負荷を軽減するために以下のような取り組みが進められています:
中性・低刺激の環境配慮型洗浄剤の使用
洗浄液の再利用・循環システムの導入
排水処理設備の高度化
**無薬品洗浄(ドライアイス・超高圧水・超音波洗浄など)**へのシフト
こうした改善は、単なる環境対応にとどまらず、企業の「ESG(環境・社会・ガバナンス)」や「SDGs達成」への意識とも直結し、企業価値の向上にもつながります。
産業機器洗浄業は、縁の下で産業を支える一方で、化学薬品・水・エネルギー・廃棄物といった環境負荷を伴う特殊な業種でもあります。
次回は、こうした課題と向き合いながら、産業洗浄がどのように未来に向けて進化していくのか、そして求められる企業姿勢や技術革新について詳しく解説します。
次回もお楽しみに!
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