
皆さんこんにちは!
株式会社Tnor、更新担当の中西です。
~“粒子ゼロに近づける”~
半導体・薬液ラインの性能は、部品の清浄度で決まります。微粒子・金属イオン・有機残渣(NVR)を工程内で増やさない/出荷前に消し切る——この2点がすべて。ここではSUS・アルミ・チタン・石英/SiC・PFA/PTFE・PEEK・エラストマーなどを対象に、材料別の“効く”やり方と検査のツボを、現場目線で整理します。📘
対象:薬液供給配管・マニホールド・バルブ・フィッティング・治具・搬送治具・真空チャンバ内補機 など
ゴール:用途に応じた清浄度規格(例:粒子 ≧0.5µm、イオン(Na⁺/K⁺/Cl⁻ 等)、NVR μg/cm²、金属汚染)を再現性よく満たすこと。
前提:クリーンルーム運用(ガウン・動線・包装)と溶剤/薬液の品質管理が土台。
SUS304/316L:油・酸化皮膜→アルカリ脱脂→酸洗→パッシベーション(硝酸/クエン酸)。溶接部はスケール除去を丁寧に。
アルミ(Al/Mg系):強アルカリ×、弱アルカリ〜中性+キレートが基本。腐食・白化に注意。
チタン:不動態皮膜を壊さない低攻撃性プロセス。最終は超純水(UPW)リンスを厚めに。
石英/SiC:金属コンタミを嫌う。超音波/メガソニック+酸リンス。微細欠けは外観×偏光で検出。
フッ素系(PFA/PTFE):界面活性剤の残留に注意。UPW大量リンス→IPA置換→N₂ドライの“界面を残さない”設計が有効。
PEEK/各種樹脂:溶剤適合性をSDSで確認。温度×時間×膨潤を管理。
エラストマー(FKM/EPDM 等):抽出→真空ベークで残留モノマー/NVRを抜く。温度上限と収縮に留意。
受入:外観・型番・ロット照合→初期清浄度サンプリング
前洗浄:粒度の大きい汚れを低圧→高圧の順で除去
脱脂:適合溶剤/アルカリで油分・フラックス・指紋を分解
ディアレーティング:真空→溶剤/UPWパージで盲腔のエア抜き
超音波/メガソニック:材と汚れに合わせ40kHz〜1MHzを使い分け
リンス:18.2MΩ・cm級UPWでカスケード複段
置換乾燥:IPAベーパー/ミスト→N₂ブロー
真空ベーク:金属100–150℃/樹脂80–120℃(材適合内)
検査:粒子・イオン・NVR・外観(ボイド/クラック/欠け)
二重包装:クリーンパック+窒素置換、外袋にラベリング(材質/LOT/製番/検査値)
⚠️ フッ化系酸などの危険薬品は専用設備・訓練・保護具のもとでのみ使用。代替処方を優先検討します。
粒子:リンス液の液中パーティクル(例:≧0.5µm/mL)。治具・流量・温度を固定化しSPC管理。
イオン:**IC(イオンクロマト)**でNa⁺/K⁺/Cl⁻/SO₄²⁻などを定量(μg/cm²換算)。
NVR(Non-Volatile Residue):重量法/FTIRでμg/cm²。樹脂は抽出溶媒を材毎に最適化。
金属汚染:ICP-MSでNi/Fe/Cr/Al 等。
濡れ性:接触角で表面エネルギーを確認(薬液濡れの再現性を担保)。
外観:500–1000 lxの拡散照明+偏光、傷・チッピング・打痕を台帳化。
二重袋+内袋はクリーングレード、袋内N₂置換で再汚染と吸湿を抑制。
型番・製番・LOT・検査値・期限を外袋ラベルと電子CoC(成績書)に同梱。
搬送箱は帯電防止、温湿度レンジを守る(樹脂は特に)。
PFAマニホールド:界面活性剤残り→UPW 60℃×長時間リンス+IPA置換でNVR▲65%。
SUS316L(CMPライン):粒子再付着→**メガソニック段の温度を35→28℃**へ下げ、微気泡抑制→液中粒子▲70%。
石英治具:金属汚染→治具接触材をSUS→PTFEへ変更、ICPでFe/Crが規格内に。
[ ] 材質・表面粗さ・盲腔/溶接の有無
[ ] 目標清浄度(粒子・イオン・NVR)と判定法
[ ] 禁止薬品・推奨薬品(材適合)
[ ] 梱包仕様(袋材・N₂置換・ラベル情報)
[ ] 成績書フォーマット(CoC/CoA)
[ ] リードタイム・分割出荷・緊急対応の可否
精密洗浄は材料適合×プロセス窓×測定の再現性。
“いつでも同じ良さ”を出せる仕組みづくりで、歩留まりと立ち上がりを加速します。ご相談は材質・使用薬液・清浄度目標からお気軽に。🧪✨
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