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月別アーカイブ: 2025年5月

Tnorのよもやま話~第12回~

皆さんこんにちは!

 

株式会社Tnor、更新担当です。

 

 

 

産業機器洗浄業の未来:サステナブルとDXが変える洗浄現場

 

 

 

前回は、産業機器洗浄が抱える環境課題について解説しました。

今回はその続きとして、**産業機器洗浄業の「未来像」**に焦点を当てて一般的な市場での動向を基にお話しします。

現場の熟練技術に支えられてきたこの業界も、環境・安全・効率化への社会的要請が高まるなかで、大きな転換期を迎えようとしています


◆ サステナブル化が進む洗浄技術の最前線

 

環境負荷を軽減しつつ、効果的な洗浄を実現するための革新技術が次々と登場しています。

① 無薬品洗浄技術の進化

  • ドライアイスブラスト洗浄:CO₂の固体を使って表面を剥離。排水不要、薬品ゼロ。

  • 超高圧水洗浄(3,000kgf/cm²以上):物理的衝撃で付着物を除去。薬品に頼らない。

  • 超音波洗浄・キャビテーション洗浄:精密部品にも対応でき、廃液も最小限。

 

これらの技術は、薬品を使わず環境に優しいうえ、作業員への健康負荷も低減できるため、持続可能な洗浄技術として注目されています。


② 洗浄剤の進化とバイオテクノロジーの応用

 

最近では、「バイオ分解型洗浄剤」や「天然酵素を利用した油脂除去剤」など、生分解性・再生可能資源をベースとした製品が登場しています。

これにより、

  • 排水処理の簡易化

  • 作業環境の改善(刺激臭・腐食性低減)

  • 環境認証(エコマーク・グリーン購入法)の取得

 

など、多方面での効果が期待されています。


◆ DX(デジタルトランスフォーメーション)がもたらす未来

 

産業機器洗浄業にも、いまやDXの波が押し寄せています。現場の属人化やムダを排除するため、次のようなテクノロジーの導入が進んでいます。

① IoT × 洗浄の自動監視

  • 洗浄装置にセンサーを組み込み、温度・圧力・汚れ除去率などをリアルタイムで監視

  • 最適な薬品濃度や時間を自動制御することで、無駄を最小化

 

② AIによる予知保全と洗浄タイミングの最適化

  • 設備使用状況をもとに、いつ洗浄すべきかをAIが提案

  • 過剰清掃やタイミング遅延を防ぎ、設備効率の最大化

 

③ 作業管理・履歴のデジタル化

  • 洗浄履歴・薬品使用履歴・廃液量をクラウド管理

  • 顧客への報告書の自動生成や、品質管理の標準化にも寄与


◆ 産業洗浄業の将来に必要な「人」と「会社」の姿勢

 

技術革新が進むなかで、産業機器洗浄業に求められるのは、

  • 安全・環境・品質の3軸をバランスよく追求する力

  • 現場力とテクノロジーを融合できる人材の育成

  • 見えない部分を“見える化”し、顧客へ信頼を届ける企業体制

 

といった、次世代型の業者像です。洗浄作業は“汚れを落とすだけ”ではなく、社会と企業のサステナビリティを支える価値ある行為なのです。


【まとめ】

 

産業機器洗浄業の未来は、「環境にやさしく、効率的で、信頼されるサービス」へと確実に進化しています。
そのカギとなるのは、技術革新×環境意識×現場力の三位一体。目に見えにくい作業だからこそ、誠実に、そして戦略的に取り組む姿勢が、これからの業界価値を形作っていくでしょう。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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Tnorのよもやま話~第11回~

皆さんこんにちは!

 

株式会社Tnor、更新担当です。

 

 

産業機器洗浄業の環境問題:見えない現場のリアルと課題

 

 

 

今回は、ものづくりやインフラ保全に欠かせない存在である「産業機器洗浄業」について、環境との関係に注目して一般的な市場での動向を基にご紹介します。

一見、あまり表に出ないこの業種。しかし、食品工場、化学プラント、発電所、自動車工場、半導体製造などあらゆる業界の安全・品質を陰で支えているのが、産業機器洗浄のプロたちです。


◆ 産業機器洗浄とは?―目立たぬが重要な仕事

 

産業機器洗浄業とは、機械設備や配管、タンク、熱交換器、集塵機などの内部・外部に付着した汚れや堆積物を専用の機器と薬品で除去する作業を行う業種です。

目的は以下の通りです:

  • 機器の性能回復・維持

  • 製品への異物混入・汚染の防止

  • 火災・爆発などの危険要因の除去

  • メンテナンスによる寿命延伸

 

このように、産業機器の「機能と安全」を維持するために欠かせない存在ですが、その洗浄行為そのものが環境負荷をもたらすという側面もあります。


◆ 洗浄に伴う主な環境負荷とは?

 

① 使用薬品による化学リスク

産業用の洗浄には、強酸・強アルカリ・有機溶剤などの薬品が使われるケースも多く、以下のような環境リスクが伴います:

  • 廃液が適切に処理されないまま流出

  • 排気ガスによる大気汚染

  • 作業員の健康被害(吸入・皮膚障害)

こうした問題を防ぐため、厳格な薬品管理・廃液中和処理・専用の排水処理装置が必要とされますが、中小規模の事業者では対応が不十分なケースもあります。


② 大量の水とエネルギーの消費

高圧洗浄やスチーム洗浄は大量の水と熱エネルギーを使用します。特に食品や化学系の工場では、1回の洗浄で数トン単位の水やガスを使用することも珍しくありません。

これは、

  • CO₂排出

  • 水資源の過剰使用

  • コスト増大

などの問題に直結します。


③ 廃棄物の発生(汚泥・付着物)

洗浄の際には、取り除かれたスケール、金属粉、油脂、粉塵などが廃棄物として排出されます。これらは有害物含有や難処理物質を含む場合もあり、産業廃棄物として適切な処理が求められます。

また、特別管理産業廃棄物(例:PCB含有装置、重金属を含む堆積物など)の処理に対応できない業者では、無理な処理や違法廃棄のリスクがあるのも現実です。


◆ 環境負荷と向き合うための現場対策

 

多くの企業では、環境負荷を軽減するために以下のような取り組みが進められています:

  • 中性・低刺激の環境配慮型洗浄剤の使用

  • 洗浄液の再利用・循環システムの導入

  • 排水処理設備の高度化

  • **無薬品洗浄(ドライアイス・超高圧水・超音波洗浄など)**へのシフト

 

こうした改善は、単なる環境対応にとどまらず、企業の「ESG(環境・社会・ガバナンス)」や「SDGs達成」への意識とも直結し、企業価値の向上にもつながります。


【まとめ】

 

産業機器洗浄業は、縁の下で産業を支える一方で、化学薬品・水・エネルギー・廃棄物といった環境負荷を伴う特殊な業種でもあります。

次回は、こうした課題と向き合いながら、産業洗浄がどのように未来に向けて進化していくのか、そして求められる企業姿勢や技術革新について詳しく解説します。

次回もお楽しみに!

 

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