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Tnorのよもやま話~第19回~

皆さんこんにちは!

株式会社Tnor、更新担当の中西です。

 

~変遷~

 

1|洗浄業の役割とは?

産業機器・精密機器洗浄業は、製造現場や研究開発で使用される装置や部品を 安全かつ高精度な状態に保つためのクリーニング作業 を行う業種です。
微細な油汚れ・粉塵・薬品残渣などが製品の品質に直結するため、この分野の洗浄は「ものづくりを支える縁の下の力持ち」といえます。


2|黎明期:溶剤洗浄の時代(1950〜70年代) 🧪

戦後の工業化とともに、洗浄の主役は 有機溶剤(トリクロロエチレンやフロン類) でした。

  • 強力な洗浄力で金属部品や精密機器を短時間で清浄化

  • 大量生産に対応可能

一方で、人体や環境への影響が問題視されるようになり、「環境負荷」と「安全性」が課題として浮上しました。


3|環境規制と代替洗浄技術の時代(1980〜90年代) 🌱

公害問題やオゾン層破壊問題を受け、1980年代後半から1990年代にかけて環境規制が強化されました。

この時期に登場したのが:

  • 水系洗浄(界面活性剤や純水を使ったクリーンな洗浄)

  • アルコール系・炭化水素系溶剤への転換

  • 超音波洗浄による微細汚れの除去

「強い溶剤で洗う」から「環境に配慮した方法で洗う」へと大きく舵が切られた時代です。


4|高度化・クリーン化の時代(2000年代〜2010年代) 🧼

IT・半導体産業や医療機器産業の発展により、洗浄にはさらに高いレベルが求められるようになりました。

  • 超純水による洗浄:ナノレベルの不純物を取り除く

  • ドライ洗浄:プラズマやCO₂ドライアイスを用いた乾式洗浄

  • クリーンルームでの作業:半導体や精密機器向けに必須化

  • 高精度検査技術:洗浄後の表面清浄度を数値で評価

洗浄は単なる「汚れ落とし」から、製品品質保証の一部へと変化しました。


5|デジタル・環境共生の時代(2020年代〜現在) 🌍🤖

近年の産業機器・精密機器洗浄は、環境配慮と効率化が両立する段階に入っています。

  • AI・IoT活用:洗浄条件の最適化、設備稼働データの収集

  • 自動化ライン:ロボットによる省人化と均一品質の実現

  • 環境負荷低減:省エネ洗浄機、バイオ洗浄液の利用

  • SDGs対応:再利用可能な水や溶剤の循環システム

洗浄業は「環境保全 × 最先端技術」の象徴的な存在となっています。


6|これからの展望 🚀

未来の産業機器・精密機器洗浄業はさらに進化するでしょう。

  • ナノテクノロジー洗浄:分子レベルの汚染を除去

  • AIによる自律的制御:汚れの種類や量に応じて自動で最適化

  • グローバル展開:世界的な環境規制に対応した技術輸出

  • 循環型社会の中核:廃液ゼロ、完全クローズドシステムの確立


まとめ ✨

産業機器・精密機器洗浄業は、

  • 黎明期の溶剤洗浄

  • 環境規制による代替技術

  • 高精度・クリーン化の進展

  • デジタル・環境共生の融合

という変遷を経てきました。

今では「製品品質を支える最後の砦」であり、これからも ものづくりと環境を守る最先端産業 として進化を続けていくでしょう🔧🌍✨

 

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